3.アルバム解説

MJはいう。アルバム作りに関して、B面用の曲とかアルバムの埋めあわせ用の曲などないと。
彼は、自分の事を完璧主義者だともという。そして、『スリラー』は妥協のないパーフェクトな作業だった。一番レコードが売れるクリスマス時期をにらんで、レコード会社は、完成の遅れている『スリラー』の仕上げにものすごい圧力をかけたそう。そのため、MJ側は急いで曲のミキシング(ヴォーカルやインストのバランス調整)をすませる。しかし、その仕上がりがあまりにもひどくMJは
涙を流したらしい。このままの形で『スリラー』が発表されたらその後の成功はなかったかもし
れない。契約違反で訴えられるのも覚悟でMJ側は、時間を費やしリミックスしなおす。そして、『スリラー』は、完璧な形で世
に送り出される。
1 Startin'
Somethin'
アルバムのトップを飾るこの曲は、前作『オフ・ザ・ウォール』の頃にすでにMJの手によって書かれていた。
詩の中にVegetable(野菜)というキーワードがでてくる。飽く事を知らぬ大衆に食い尽くされる有名人としての自分を重ねて・・・MJのグルーブが全開。アルバムからの4番目のカット曲。
83年6月ビルボード最高位5位。ライブでも、オープニングはこの曲ではじまることが多かった。
2 Baby Be
Mine
前作でも「ロック・ウィズ・ユー」という全米No1ソングを提供したクインシー・ファミリーのロッド・テンパートンによる心地いいミディアムナンバー。正直、最初の頃は他の曲と比べても地味で、「ガール・イズ゙・マイン」とともに、あまり聞いてなかっ
た曲。でも10年後には、一番聞いた曲かも。ドライブ向きの曲。MJのボーカルののび、ボーカルの素晴らしさをあらためて実感した曲。
3 The Girl
Is Mine
アルバムからの先行シングル。前作で、「ガールフレンド゙」という曲を提供してくれたポール・マッカトニーに対してのお礼の意味もこめてMJから声をかけたそう。前作の成功でのMJの自信のあらわれだと思う。
ビートルズのポールというビックネームとのデュエットはセンセーショナルだが、その曲ばかりオンエアされ目立ちす
ぎてしまうという懸念もある。そう読み、出し惜しみせずにさっさと放出したそう。82年11月ビルボート
゙最高位2位。でも地味。Bridgeの盛り上がりがこの曲のKeyだろうな。1人の女を奪い合う時、こんな
和やかににやんないよ。ポールとの共演は、彼のアルバムにおさめられたビックヒットの「Say Say Say」と「The Man」がある。「Say Say
Say」もビックヒット。ここに「Say
Say Say」が入ってたらとんでもないことになってるな。
4 Thriller
アルバムからの最終カット。84年の2月ビルボード゙4位。この曲を最後にカットするってのもさすが。82
年12月に『スリラー』が発売された時、このプランを考えてたんだと思う。そして、この2年
の間にMJの顔も変わったけど。まだこれくらいの変わりようなら許せた・・・が、96年の「You Are Not Alone」(R.Kerry作のビルボード゙初の初登場1位゙)のビデオクリップ゚の変わりようには愕然としたよ。(ハミチンネタも話題になるし)
「マイコー、あなたはどこへいこうとしてるの?」って。「スリラー」のビデオクリップ゚見た事ない人は見てほ
しいな。あと、ウガンダ゙のパロディーの「スリラー」も必見。
5 Beat It
クインシーがエディ・ヴァンヘイレンに電話をした時、彼はイタ電だと思って「失せろ」といってきったらしい。その後、そのTELがほんもののクインシー・ジョーンズ゙とわかり驚いたとの事。この出会いがどれだけクロスオーバーかがわかるエピソード。彼のとてつもないギタ
ーソロはきいての通り。
ビルボード1位。グラミー最高の゛年間最優秀レコード゛と゛年間最優秀ロック歌手゛を受賞。グラミーで、R&B歌手、ロック歌手、ポップ歌手の3つを制覇したのがすごい事だと思う。MJの中にはものすごいRock Spritもあるのだと思う。その後、Gunzのスラッシュというこれまたすごいギターリストを担ぎ出してる
。MJは、学校に通っている子供たちを心に描いてこの曲を書く。そこに込められたメッセージは、暴力は避けるべきというもの。ビデオクリップ゚の中でも、黒人と白人のギャング゙の抗争を描いてるが、MJが仲
裁に入り、「暴力はいけないよ」といってみんなで仲良く踊りだす。「白人も黒人も関係ないんだ」と。それは後の「Black Or White」にもつながっている。「でも自ら白くなってしまったのはなぜ?」と(遺伝性の病気だといわれていますが)疑問を持つのも確か。でも人工的に肌をあそこまで白くできるのかも?。その辺事実はいまだにわかりません。
この曲と「スリラー」って似てるのでしょうか?そんな仲良くない奴が、「ビ〜テ〜、ビ〜テ〜 ♪
」のさびのところを「スリラ〜、スリラ〜 ♪」って歌っているのをきいて「おい、それちがうよ」
ってつっこみたかった覚えがあります。
6 Billie Jean
2ndシングル、実質アルバムの成否をかけた曲だったと思う。見事ビルボード゙1位、゛年間最優秀R&Bソング゛、゛R&B歌手受賞゛。これいうと周りにヒンシュクかうんだけど、オープニング、かっこよくドラムが鳴り出し、続いてベース。その後、なんか一言入りま
す。それが、「チクビ゙」にきこえてしゃーないんだけど。なんて言ってんの?マドンナ
のビックヒット「Like a Verjin」のイントロにも似てる。ムーン・ウォークはやったよな。ちゃんとできた奴見た事ないけど。今、きいてもしびれます。MJは、かなりのめりこんでこの曲を書いたらしい。書いている時から、「こいつはすごいものになる」と予感して。そして、それまでブラックアーティストに対して門戸が開かれていなかったMTVも、このビデオクリップ゚で彼が切り開く。モータウン25周年
のライブ・パフォーマンスも拍車をかけ、読みどおりのビックヒットとなる。歌えて、踊れて、曲も書ける。そんな人はMJ以外に知らない。12インチ盤がよりかっこいい。
7 Human Nature
TOTOのメンバーが書いた曲。アルバムムからの6番目のカット。83年9月ビルボード゙7位。シンセサイザーの効果がすごくでた曲ではないだろうか。でもけっして機械的でない暖かさがでている。80年代の中期というのは、このシンセやプログラミングといった、テクノロジーの進化も見逃せないのでは?だから、この後プリンスのように1人で「サイン・オブ・ザ・タイムズ」のようなすごいアルバムを作る事も可能にしたし、Jam&Lewisや、LA'FACEのようなサウンド・クリエイターを出現させた。今までできなかった表現がこれにより可能になった。『スリラー』は当時最高のミュージシャンとテクノロジーーを融合させた傑作アルバムとも言える。この曲は、後、Teddy RileyのRe-Mix(SWV「Right Here」)でよみがえり大ヒットする。
8 P.Y.T
アルバムからの6番目のカット。83年11月ビルボード゙10位。超軽快なポップソング。バックボーカルにまだ青臭いジャ
ネットジャクソンも参加。MJのヴォーカルの強みはこういうポップソングが歌えるという事。黒人ボーカル独特の黒さというか、粘っこさがないから、さわやかに聞ける。ちょっと軽やかなシャウト気味な感じがいい。まさに七変化といったところ。さすがに、この頃になると、シングルのいきおいもなくなってくる。そりゃ、みんなアルバムを買うから、わざわざシングルの購入しないよ。でも、この後、最後の起爆剤「スリラー」が爆発するのである。
9 The Lady In My Life
この曲は、完成に手間取った曲の1つらしい。完璧なヴォーカルを録るために、何度も繰り返すが、クインシーからO.K.がでない。最後、スタジオを真っ暗にしてクインシーが要求する様に"乞う"よう
に歌い、素晴らしい仕上がりとなる。この曲は、夜真っ暗にして部屋できくのがいい。この曲の詩もいい。当時ガキンチョのおいらには、この詩の意味をいまいちかみしめられなかったけど。MJのヴ
ォーカルの素晴らしさを堪能しよう。MJにはもっとラブバラッド゙を歌って欲しい。この声は素晴らしすぎる。